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後見に関する費用は誰が負担する?

これから、みなさんのご家族やご親族について、家庭裁判所に後見等(保佐・補助)開始の審判申立てをしたいと考えたとき、まず気になるのは費用ではないでしょうか?

 費用と一言でいっても、みなさんが思い浮かべるものとしては、後見等開始の審判申立て時に必要になる費用、実際に後見人等が就任した後に司法書士や弁護士が選ばれた場合の報酬等の費用、更には後見が開始した後の本人の生活費など色々とあるかもしれません。そこで、費用についてまとめてみます。

①後見等開始の審判申立ての費用

申立てに関する費用の負担は、家事事件手続法28条により原則は申立てを行う人(申立人)が負担します。但し、家庭裁判所は事情により申立人以外の者の負担とすることが出来るとも定められていますので、もしも後見等の審判を受けるご本人に負担して欲しいという場合は、裁判所に本人負担とする旨を審判書に記載してもらう必要があります。

当事務所にご依頼いただいた札幌家庭裁判所への後見等の申立てでは、依頼者の方に上申書の提出をご提案し、ご本人負担とする旨の審判がされることがほとんどです。なお、令和元年10月からの札幌家庭裁判所の新しい申立書では、申立てに関する実費費用を本人負担することを裁判所に求めることが可能な旨(本人負担の可否判断は裁判所の裁判官が行います)があきらかにされましたが、一方で後見等申立に関する司法書士や弁護士の手続き報酬については、ご本人の負担とすることの可否は後見人等に就任した方の判断となります。

②後見人等就任後の報酬等費用

後見人等に司法書士や弁護士、社会福祉士など専門職が選任された場合の報酬についは、審判を受けた本人の財産から負担することとなります。後見人等の報酬は、各後見人等が報酬付与の審判申立てを家庭裁判所へ行い、裁判官が審判によりその具体的な金額を決めます。

③後見等開始の後の本人の生活費等について

後見等申立後の本人の生活費は、基本的には本人の生活費はその収入の範囲内で賄うこととなります。もちろん、それまでご家族が同一生計であった場合、事は単純ではありませんので、可能な限り他の家族と本人との生計はある程度の区分けをする必要があります。この辺りは、各家庭の事情を考慮する必要があることから一律にはいえませんが、本人が負担する生活費を定めて親族へお渡しする形、その反対に家族から一定の生活費を受領するという形も場合によっては考えられます。

「本人財産の管理の為」というのが後見制度の利用のきっかけとしては多く、申立をされるご親族としてはお金に関する不安はできるだけ早くに解消したいところかと思います。ですが、特に③については後見人や家庭裁判所の考えにもよりますので、ときにはご家族には非常に厳しい方針となることも考えられます。私が後見人になった場合は、各家庭の事情とご本人の後見人という立場の両方に配慮するように心がけていますが、本当に悩ましいところです。