運営:司法書士佐藤貴史事務所(さとう たかふみ)
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後見等の申立ての必要書類については、
①福祉関係者の方やお医者さんに記載作成してもらう書類
②申立てをする人が記載作成する書類
③親族が記載作成する書類
④役所などで取得する書類
⑤手元にある資料の写し
以上大きく5つに分けることが出来ます。
まずは①の書類について説明します。後見等の申立てにあたっては、後見制度の後見・保佐・補助のどの類型にご本人が該当するかを、診断書等の記載内容から判断する必要があります。なお、平成31年からは新たに本人の生活に関わっている福祉関係者の方に作成していただく「本人情報シート」が必要となり、その「本人情報シート」をお医者さん(精神科の医師に限りません。例えば内科の先生など、かかりつけのお医者さんに作成していただくでも結構です。)へ原本を交付(申立て添付用として予めコピーを控える)し、「診断書」及び「診断書附票」を作成してもらうことになります。
②申立てをする人が記載作成する書類としては、「申立書」、「申立事情説明書」、「後見人等候補者事情説明書」、「財産目録」、「相続財産目録」、「収支予定表」、「親族関係図」が主なものとなります。書類作成については、実際に後見等の申立てや業務を行ったことがない場合、記載として不適切なものもあるかと思われます。例えば、「相続財産目録」への記載については、被相続人が死亡した際(相続開始時)の財産と、相続開始後の葬儀費用等は異なるものですが、一般的にはこの辺りを一緒に考えてしまう方が多いですし、「収支予定表」の作成にあたっては、例えば直近1年間の収入と支出を確認し実績ベースで考えるのが基本と考えますが、臨時の収入支出を区別出来ていないというケースが多く感じられます。この辺りは申立てに精通している司法書士にご相談した方が良いかと考えます。
③親族が記載作成する書類としては、「親族の意見書」となります。申立てをすることへの賛否や意見、後見人等の候補者に関する賛否や意見を記載することとなります。この書類については、申立人から親族へ記載作成を要請し、家庭裁判所へ提出することとなります。なお、この場合の親族の範囲は推定相続人となりますが、その推定相続人とは仮に現時点でご本人が亡くなった場合に相続人となる地位にある方ということになります。ただし、申立人がご本人の唯一の推定相続人である場合は、申立の意思が明らかですので、不要となります。
④役所などで取得する書類としては、「戸籍」や「住民票」、そして法務局で取得する「登記されていないことの証明書」、不動産がある場合の「全部事項証明書」などがありますが、これらについては依頼を受け司法書士が取得することも可能です。
⑤手元にある資料の写しとしては、預貯金通帳や証券の写し、保険関係書類、定期的な収入の資料としての年金ハガキ、定期的な支出の医療費の領収書や施設費の領収書などとなります。なお、これら資料については、ご本人が管理し保管している場合、親族がご本人から預り保管している場合、既に施設や病院でご本人が生活されている場合によって、所在が異なることとなりますのであらかじめ所在の確認を行う必要があります。施設や病院が管理し保管している場合は、「本人情報シート」や「診断書等」の作成を依頼する際に、これら必要書類を案内しその写しをお願いすることが効率的かと思われます。
以上が必要書類を誰が準備をするのかについての大まかな分類となりますが、これを一つ一つ確認しながら後見等の申立てを行うのは、多くの時間と労力が必要となります。後見等の申立てに至る事情としては、遺産分割が必要な場合やご本人の認知症の進行や病状により財産の管理を出来ない状況になったなど、ご親族として不安な気持ちを抱えている状況にあるケースが多いかと思いますので、手続きについては専門家の司法書士へ依頼することをお勧めします。